島原から出ると近藤一派がいた。

「火雨!時雨!!」
「火雨さん、腕は大丈夫ですか!?」
「はい、大丈夫ですよ」

痛くも痒くもねぇし。

「腕、見せてみろ」
「はぁ……」

袖を捲り、腕を出す。

「酷く腫れてるじゃないですか!!」
「これ位の傷、痛くも痒くもありません」
「帰ったら山崎に診てもらえ」
「……分かりました」
「帰るぞ」
「「はい」」
「それにしても、お二人共凄いですね!!」

沖田さんの言葉に私と時雨は首を傾ける。

「何がですか?」
「芹沢さん相手に怪我がこれだけって凄い事なんですよ!!」
「へー」
「流石、芹沢さんに気に入られてるだけはありますね!」
「そうですね」

普通に話しながら屯所に戻った。

「おい、山崎」
「なんでしょうか?」
「火雨の腕の怪我を診てくれ」
「はい、火雨君、此方へ」
「はい」

山崎さんに着いて行く。
そして、連れて来られたのは山崎さんの部屋だった。

「さぁ、怪我を診せてくれ」

私は黙って袖を捲り、腕を出す。

「これは……」
「芹沢さんですよ」