「申し訳ありませんが……俺達、こういう所来た事無いので
どうしたらよろしいのか分からなくて……」
「そうか……そこは安心しろ、舞妓や遊女が酌をするだけだ」
「そうなんですか……」

それだけじゃないような気がするがな。

「火雨、表情に出てるよ」

私にしか聞こえない声で時雨はそう言う。

「……すまねぇな、
こういう所はどうも苦手でな……」

苦笑しながら言うと時雨は困ったように笑う。

「まぁ、仕方ねぇって……お前は女だしな」

そう言う時雨は優しく笑って私を見た。

「そうだな…というかお前さ…側から見れば俺達、衆道だぞ?」
「!?//////////////」

辺りを見回す時雨。
私はその行動を見て思わず噴く。

「ふふふ…」
「お前っ!騙したな!?」
「いや、騙してねぇし…あー腹痛ぇわ」

衆道として目立ってはねぇけど、
なんというか…男前?として目立っている。

「ここが今回の席だ」
「「失礼します」」
「お前等は律儀じゃのう、だがここではそういう礼等は要らん」
「分かりました」

それぞれ席に着く。