つい、あの時を思い出してしまう。
家族が……いや。
神の時の事をついつい、思い出してしまう。

「おーい、火雨?」
「なんだ?」
「ぼーっとし過ぎだ」

眉を下げて困ったような顔で笑う。

「すまねぇな」

苦笑して返すと、皆さんの方を見る。
幹部の皆さんはとりあえず、警戒しなきゃな。
正体が明らかになったら、計画が全部駄目になる。

「あの、俺達の刀が打刀じゃなくて太刀なんですけど…刀の寸法等的には良いですか?」
「腰に差す刀は打刀と脇差、それか太刀と脇差ですから全然大丈夫ですよ」
「なら、良かったです」
「ところでお前達の刀の名前ってなんだ?」
「あぁ…天下五剣の内の一つの三条宗近です」
「俺は五条国永です」
「……は?」

土方さん達は目を見開き、驚いている。

「……なんだと?」

少し目を輝かせているのは斎藤さんただ一人だけ。

「お前等、只者じゃねぇな…天下五剣の一振りを持っているだけで凄ぇのに……」
「「そうですか?」」

時雨と私はけろっとして返事をしている。
一番問題な局長が居るとも知らずに会話をしていた。