「両者構えて……始めっ!」
私は何も構えずに突っ立っているだけ。
「行きますよ?」
「……どうぞ?」
目を伏せて下段に構える。
目を開けると雰囲気を変える。
沖田さんが襲い掛かって来ると、私はニヤリと笑う。
そして、二天一流の虎振で責める。
だが、避けられる。
そして、沖田さんは平静眼で三段突きの構えをした。
「なら……その上を行きましょう」
私も平静眼で五段突きの構え。
沖田さんが動く。
最初の三段突きは受けるのに使って、残りの二段はそのまま首、心臓の順で狙って勝負が着いた。
「……勝者、火雨」
「凄え!この兄弟は沖田さんの上を行っている!!」
「よし、火雨も合格だ」
「ありがとうございます」
時雨の方に向かうと手拭いを渡された。
「ありがとな」
後日談だが、汗を拭う姿は絵になると誰かに言われた。
入隊試験も終わり、夕餉の時に自己紹介すると言われたから自室で待機中(笑)。
「あ〜暇だなぁ……」
「……火雨か?」
「はい、なんでしょうか?」
「出て来てくれ」
「はい、分かりました」


