「……こちらから行くぞ」
「どうぞ?」
あいつ、ニコニコしてやがる。
あーぶっ潰してぇ!!
時雨のあの顔をぶっ潰してぇ!!
斎藤さんは時雨に向かって、走り出した。
普通の人なら避けられ無い程速いと思うが、時雨は軽く避けて鶺鴒の尾で攻めている。
だが、受け流された。
時雨は一瞬だけ目を見開き、すぐに不敵に笑った。
私と時雨はワクワクする時と本気の時は笑っているらしい。
あいつは今、本気を出す。
天然理心流の構えだ、しかも平静眼。
本当に本気出しやがったな…。
「さぁ、行きますよっ!!!」
三段……いや四段突きをしやがった。
「四段突き!?」
しかも、凄く速いから斎藤さんは避けきれなかった。
「……勝負ありだな」
目を伏せて、精神統一する。
「……勝者、七瀬」
「凄え!あいつあの斎藤組長に勝ちやがった!!」
「あの…」
「なんだ?」
「七瀬はもう一人居るんですけど」
「そうか……なら時雨は合格、次!」
「「はいっ!」」
沖田さん?という人が私の相手だ。
刀も得意だから良いけどさ……どうせなら槍が良かった。