火雨side

街まで下りて、暫く歩くと茶屋で一休みしていた。

「もうすぐで来るはずだが……」
「なぁ、あれじゃねぇか?」

私は顔立ちが整っていて、綺麗な漆黒の髪が靡いている男を指差す。

「お!あれだ!!」

すると、走り出した。

「あ、おい!!」

勘定済ませろよ……まぁ良いや、払ってやらぁ。

「姉ちゃん、勘定よろしく」
「あっ、はい!」

勘定を済ませると、さっきの男の元に走って行った。

「すいません、遅くなりました」
「いや、良い……そんじゃ行くぞ」

美丈夫に着いて行く。
ぼーっとしながら歩いていると屯所に着いた。
中に入ると、入隊試験をすると言われた。
まずは時雨…相手は斎藤さんだ。

「両者構えて……始めっ!!」

斎藤さんは居合の構えで時雨は……

「おいおい、時雨」
「んだぁ?」
「んだぁ?じゃねぇよ、始めっから本気はやめろー」
「北辰一刀流は本気じゃねぇよ(笑)」
「そっか……そうだね」

そう、北辰一刀流の星眼の構え。
そろそろ、斎藤さんが動くか。