(……本人の与り知らぬところとはいえ、あてつけのために彼女を利用してしまった分、店に来たらできるかぎりのことをしてあげよう) そして、次に吉川さんに会ったら、さっきの返事をちゃんと伝えよう。 佐希子はそう心に留めると、つとめて明るい声で言った。 「ありがとう。そう思うことにします。――さぁ、急いで夜の仕込みに取りかかりましょう」