キャラに似合わず、有無を言わさぬ口調で押し切る。
吉川さんは口の端に苛立ちのようなものをちらつかせながら、難しい顔で佐希子を見つめた。
ゴンさんは、心得顔というか、空気を読んで、石になっている。
(……わたし、なに言ってるのかしら)
ちらりとそんな言葉が脳裏を過ぎったが、佐希子は強いて自らの疑問を打ち消すと、腹に一物ありそうな、なんというか陰険めいた眼差しを、涼しい顔で受け止めた。
「……俺を、監視するのか」
「穏やかじゃない表現ですね」
「そういうことだろ。野心的じゃないからとか、先代への誓いなんてもっともらしいことを言いながら、おまえはただ俺がしんどくなってるところを見て笑っていたいだけじゃないか。――四年前、俺がおまえを置いてここを出てってから今まで、ずっと引きずってたんだろ、ちがうか」
「おいヨシ、貴様……!」
「やめてゴンさん」
腰を浮かせたゴンさんの腕を引く。
「……だったらどうだって言うんですか? 尾久山さんは吉川さんのほうで丸ごと責任を取るんですか。わたしはそれでも構いませんが、ますますご自身の首を絞めるだけなのでは?」

