はつ恋かた思い



1つ下のくせに。生意気だな。


そう思っても口にはしない。


だって、言ったところであたしは丸め込まれてしまうんだから。


「なごには敵わないんだもん…」


そう呟くあたしに、「何?」なんて無邪気すぎる笑顔。


「……なんでもなーい」


あたしは苦しくって、愛しくって、今にも溢れだしそうな想いを抑えながらなごと部屋を出る。


平然を装いながら、いつも通り、いつも通り、なごに話しかける。


「なご、今日はどうしたの?」


あたしより10センチ以上高いなごを見上げながらあたしは聞いた。


「んー、特にはないけど、なんかおばさんのご飯食べたくなっただけ」


「ふふっ。なご、昔からお母さんの料理好きだもんね。」


「おばさん料理上手だもんな〜! あ、でも俺は綻の料理も大好きだけどなっ!」


「…ありがとう」


嬉しくて、恥ずかしくて、どうしようもない気持ちを堪えながら笑って見せた。


そしたらなごも笑ってくれるから。


ふわっと柔らかいいつもの笑顔で笑って、あたしの頭を撫でてくれるから。