なんだろう…。背中に冷や汗が伝う。
どうして、急に……。
「ほらほら!早く着替えておいで! 急がないとなご君来ちゃうわよ!」
お母さんに急かされながらあたしは自分の部屋に戻る。
バタンっと勢いよく閉まった部屋のドア。
刻一刻と迫ってくる時間。
お母さんはマイペースだからこんな事は日常茶飯事。 何も驚くことなんてない。
だけど、なごの事になると話は別。
なご。あたしの、大好きな、悠(なごみ)。
1つ下なのに、あたしを年上と思ってなくて、いつだって無邪気な笑顔を振りまいてくる。
あたし達は幼なじみで、親同士が仲良くて、姉弟みたいに育ってきた。
だけど、あたしが6歳の時、ふとした瞬間になごを好きになってた。
理由なんて分かんない。覚えてないんだけど、気付いたら惹かれてた。
なごはきっと気付いてない。だって、あたしは一度も好きだなんて言ったことないもん。冗談でも、言ったことなんてない。
これでなごが気付いてたらエスパーだよね。


