「……笑わないで聞いてくれる?実はさ___」
___女の子っぽい服が欲しくて、美雨が見繕ってくれないかな?
後半は消え入りそうな声で、ボソボソと囁いた。
「女の子っぽい服?」
思わずポカンと口を開けると、「解ってるよ。どうせ、似合わないとか、ウケるとかって思ってるんだろ?」とつばさんは足を組み、膝小僧の上で頬杖を付くと、そっぽを向く。
「いや、そうじゃなくて。つばさんって、真央も言ってたけど、男の子っぽい服が好きなのかなって思ってたから……」
「別に、好きって訳じゃないよ」
つばさんはそう呟いた。
駅ビルが並ぶ目的の駅に着いた。私たちは改札を通り抜けると、直通にある駅ビルに向かう。
入り口にあるフロアガイドを見ながら、レディス向けの洋服ブランドの階を目指す。
エスカレーターに乗ると、私の前に立ち、上のフロアに視線を向けたままのつばさんが、語し掛けて来た。
「私ね、三人姉妹の末っ子なんだ。意外でしょ?」
意外かどうかは解らなかったので、きょとんとしたまま、何も言葉を発せずにいると、「いや、よく姉御とかって呼ばれてるからね」と説明を付け足した。

