フテキな片想い



「何だよっ?」その視線を避けるように、腰を上げた。


「つーか、映画鑑賞するんだろ?再生するからな」


DVDプレーヤーを起動させ、リモコン片手にソファに戻る。


星夜が美雨に近づき過ぎなので、わざと間に割り込んだ。


「ちょ、無理矢理っ!」


星夜が押されて、横に倒れながら、文句を言う。構わず、リモコンを操作する。


「お、いよいよスタートだね」


美雨はソファの上で、膝を抱えて、嬉しそうにスクリーンに観入った。




キャアアアア___


洋館に女性の悲鳴がこだまする。映画はクライマックスを迎えていた。


恐怖を煽る効果音に、いちいち星夜が反応し、なぜか俺の膝小僧を掴む。


ほんの一時間前は幸せな一家だったのに、今では深夜の訪問者によって、次々に惨殺されていく。


一人生き残った長女が、家の中を必死に逃げ回っている。


彼女が死体に躓き、顔を上げると、床には血だまりが広がっている。