「おぉ、真央じゃん!隣にいるのが、噂の美雨ちゃん?」
案の定、レジにてニコニコと笑みを浮かべながら、星夜が接客応対する。
「お前、何時まで?十八歳以下は二十二時以降は、働いたらダメなんじゃねぇの?」
「夜勤の人が遅刻しちゃって、真央の接客終わったら、上がるから安心してよ」
ピッ、ピッと手慣れた様子で商品のバーコードを読み取ると、「五百四十円です」と告げる。
「真央の友達なの?」と会計を済ませる美雨は、星夜と俺の顔を順繰りに見て、訊ねた。
「そう。同じクラスで前後の席なんだ。遠野星夜って言います。よろしくね。はい、十円のお釣りです」
「……遠野」
美雨は星夜からお釣りを貰うと、ぼそりと呟いた。
「何?」と訊ねると、「いや、最近知り合った人も、苗字が遠野っていうから___」
「遠野率高いね。同じクラスにもう一人、遠野って人がいるし、この辺、遠野って苗字多いのかな?」
穏やかに笑いながらそう言う星夜に、美雨も「そうかも」と笑顔で返していた。

