あまりの嵌りように、「毎日、寝る間も惜しんで映画を観てるなんて、生活と仕事に支障が出るから、映画を観るのは私と一緒の時が、休日にしなさい。暫く、観るの禁止。晴美命令よ!」とテレビゲームに打ち込む少年を、叱りつける母親の如く、お兄は晴美さんに怒られていた。
お兄に映画禁止令が出ているので、美雨はその隙に、ルームシアターを満喫したいらしい。
「玲央さんの好きな映画って、ちょっと難しい映画が多くて、一緒に観てると眠くなるっていうか……こういうのを観たかったんだよね、私」
コソコソと耳元で、美雨が囁く。
観たかったって……それって、R-15のグロい、スクラップ系のホラー映画じゃねぇか。
JKらしく、漫画原作のラブコメとかでいいんじゃね?俺は絶対ゴメンけど。
「美雨ってそういうの好きなんだ?」
ていうか、飯食ってる時に、血みどろで包丁振りかざしてる怪物のジャケを見たくねぇ。
「怖いもの見たさってやつ?友達が貸してくれたんだ。映画館だと、ギャーって思い切り、叫べないし」
「叫ぶの前提?」

