「光栄ですっ!」


瞬発的にそう答えていた。


幡谷先輩は「ありがと」と微笑むと、ハーフパンツのポケットから携帯を取り出した。


「とりあえず、番号とアドレス教えて」


「はい」と私も咄嗟にポケットに突っ込んだ携帯を取り出した。


「今度、遊ぼう」


お互いの連絡先を交換すると、幡谷先輩はそう言ってくれた。


芽衣子の憧れの先輩なのに、芽衣子を差し置いて、自分だけ連絡先を交換してしまい、後ろめたい気もした。


「あの、もし良かったら、さっきの子、芽衣子も誘っていいですか?あの子、幡谷先輩に憧れてみたいなんで」


「もちろん。あ、早速、今日の放課後、球技大会の打ち上げにカラオケでも行く?それにさ、私、あんまり先輩って言われるの好きじゃないんだよね。下の名前で、つばさでいいよ。そしたら、私も美雨って呼ぶから」


「はいっ!」


元気良く返事をすると、「だから、そんなに固くならなくていいってば」と幡谷先輩は苦笑した。


「じゃあ、またね」と手を振り、私たちは一旦、別れた。