「大丈夫なので、もう戻ります」
先生の問いにそう答えた。
保健室を後にすると、先程から私の後ろでモジモジしていた芽衣子が、「あのぅ___」と声を出した。
「どうしたの?」と振り返ると、いつから用意していたのか自撮り棒を掲げて、「幡谷先輩、一緒に写真撮ってくれませんかっ!?」と勢い良く、お願いした。
ぺこりと頭を下げると、ツインテールがふわりと揺れる。
「あの、私、入学する前から先輩に憧れてて、イケメンで。あの、坂の上歌劇団のオスカルで、しびれたっていうか。いやっ、何言ってるんだろう、私。訳わかんないですよね?キャーッ!」
一人で語り始めて、一人で照れる芽衣子に、隣に立っていた幡谷先輩は苦笑した。
「何?一緒に写真撮ればいいの?」と芽衣子のお願いに応じてくれるみたいだ。
さっと、前髪を整えた。
「美雨も入ってよ~」
先輩の隣で芽衣子が、顎にピースサインをあてたポーズをしながら、遠目に見ていた私を呼ぶ。
「せっかくだから、ツーショットで撮ればいいじゃん!」
「先輩がイケメン過ぎて、二人だったら即死する」

