フテキな片想い



幡谷先輩は、先々週、テスト勉強帰りに立ち寄った真央のバイト先のファミレスで、真央と一緒に店内から出て来たあの人だった。


私は、幡谷先輩のシュートを決める姿に見とれてしまい、自分でも気づかない内に、コートの中に入り込んでいたらしい。


ネットを潜ったボールが、私の脳天を直撃した。


先輩が危ないと注意してくれたものの、時はすでに遅し。


その場でパタリと倒れたらしい。


「ごめんね。痛かったよね?」


「いえ、前に出た私が悪いんですから。謝らないで下さい。それより、先輩、バスケの試合は?」


「あぁ」と幡谷先輩は小さく頷き、「美雨ちゃんを一旦、保健室に運んでから、体育館に戻ったの。試合はもう終わって、うちのクラスは三回戦に進んだ。芽衣子ちゃんだっけ?美雨ちゃんの友達と一緒に、試合後、駆け付けた所」と今に至るまでを掻い摘んで教えてくれた。



「たん瘤になっちゃってるわね」


芽衣子が先生を連れてくると、私の頭を優しく触って、そう答えた。


氷枕を用意してくれていたみたいで、頭の痛みはなかった。


「どうする?もうちょっとここで休んでいく?」