フテキな片想い



クマさんテーブルの彼がトイレに立った間に、私はダスターでテーブルを拭き、コーラの飛び散った床を雑巾で掃除した。


後ろの席のお客さんに「すみません」と謝り、コーラが入っていた空のグラスを片付けた。


「ごめんね、色々迷惑掛けちゃって」


彼はお会計の時に、レジに立つ私に声を掛けて来た。


「いえ、あの、大丈夫ですか?」


「あ、このシャツ?今日に限って白着て来ちゃったよ、ついてない。水で洗ってみても落ちないし。後染みにならないといいけど」


彼は胸元についた染みを覗き込んだ。


「それだけじゃなくて、あの、余計なお世話かもしれないんですけど、相手の方、すごく怒ってたみたいなんで……」


お釣りを渡しながら、訊ねると、「あぁ、あの子か」と今、思い出しましたみたいに素っ頓狂な声を上げた。


「いいの、いいの。別に付き合ってる訳じゃねぇし。てか、セフレ……じゃなくて、友達だって割り切ってたと思ってたから。勝手に勘違いして、勝手にキレた感じ?別にもう会わないからいいよー」