フテキな片想い



背はそんなに高くなさそうだけど、遠目で見ると、なかなか絵になる人ではある。


遠藤さんは、彼と私の間に何か起きるんじゃないかって、変な期待をしているのかもしれないけれど、多分、それは無理だ。


なぜならば、私には、彼と初めて会った時のインパクトが鮮明に残ってる。


第一印象は最悪な男だったからだ。


振り返ること、約一ヵ月前___私がまだバイトを始めたばかりの時期だった。


テイクアウトのお客さんに商品を渡し、「ありがとうございました」とお辞儀をしながら、見送っていた時のことだった。


「ふざけんなっ!」


普段からまったりと時間の流れる店内で、ありえない怒号が響いた。


何事?と驚いて、ショーウィンドウを乗り出して、店の奥を覗く。


バンッと先程、声を上げた女の人が、乱暴にグラスをテーブルの上に置いた。

「最悪、死ねっ!」

向かい合って座る男の人に暴言を浴びせ、いきなり立ち上がると、バッグを肩に掛け、こちらに向かって歩いて来た。