フテキな片想い



「おはようございます」


着替えを済ませ、コーヒーマシンに向う背中に声を掛けると、丁度クマさんのコーヒーアートを描き終えた遠藤さんが、振り返って、「おはよう」と笑顔で返してくれた。


「手を洗ったら、このカフェモカ、運んでくれるかしら?クマさんテーブルのお客様よ」


「はい」と返事をし、手洗い・消毒を済ませると、トレンチの上にカップを乗せた。


キッチンからお客さんのいるイートインスペースに出た所で、クマさんテーブルに座る人物と目が合い、「うわっ!」と頭の中の私が叫んだ。


驚きが表情に出てしまったらしい、目先の人物は、そんな私を見て、にっこりと笑うと、ひらひらと右手を振った。




おひさまカフェは、奥に細長い造りのお店だ。


扉から入って、すぐにあるのがテイクアウト用のショーケースとレジ、レジの後ろにコーヒーマシーンやジューサーが置かれ、ドリンクを提供するスペースになっている。


扉を一枚挟んだ奥が、ケーキやドーナッツを作るキッチンだ。


店の奥がイートインスペースになっており、二名様掛けのテーブル席が三席、四名様掛けのテーブルが二席、その奥に団体様用の芝シートが広がっている。


小さな店だけれど、平日の今日もテーブル席は全て埋まっている。


テーブル席には番号の代わりに、動物の名前が付けられていた。