真央が両手を広げて、ギュッと私を抱きしめた。


少し肌寒かった洞窟の中は、真央に包まれたら、温かい気持ちでいっぱいになった。


真央の胸元に顔を埋めた。人の体温って心地いい。


真央の匂いがする。落ち着く匂い。


真央がいなくて寂しかった。心にぽっかり穴が空いたみたいだった。


ワガママって言われてもいいから、真央には傍にいて欲しい。


「私たちのおうちに帰ろう」


私たちの将来がどうなるかはまだ分からない。でも、一緒にいるなら真央がいいって、今は思う。


真央とたくさん話がしたい。真央が抱えてきた悲しみも分かち合いたいたい。


私たちは似たもの同士だから、きっと一緒に成長出来る。


だから、おうちに帰ろう。


「あぁ」と頷く、真央の心地よい声が胸の奥に響く。


「でも、もうちょっと、このままでいさせて」


耳元で囁かれた言葉に、頬が熱くなった。