声を掛けると、真央は顔を背けて、「お前こそ」とやっと聞き取れるか位の小さい声で答えた。
「やっと、会えた……真央ってば、ずっと私を避けてばっかり……私が怖いの?」
顔を近づけて訊ねたものの、頑なにこちらを向こうとはしなかった。意地っ張り。
「……うるせぇな」と相変わらずの減らず口は健在のようだ。
ふぅと息を吐いて、何から話そうかなと、考える。横目で真央を見ていると、「……何で、ここに来たんだよ?」と真央がぶっきらぼうに訊ねて来た。
「ここって、一人になりたい時に丁度いい場所なんだよね。前は、私が辛くて逃げ出した時は、真央がここに迎えに来てくれたよね?……何となく、真央がここにいる気がして。私の勘もまんざらではないよね?」
真央は何も言わなかった。
「さっきね、蛍さんに告白されちゃった。しかも、みんなが見てる前で、知らない人ばっかりの所でだよ。びっくりした。真央は、蛍さんが私に告白するの、知ってたんだ?」
小さく頷くのを確認して、やっぱりと思った。
「蛍さんはね、いい人だと思うんだ。カッコイイとも思うしね」
「……そう思うなら、付き合えばいいじゃん。つーか、もう、付き合ってたりして___」
真央がそう言い掛けた所で、真央のブレーザーの裾をつんと引っ張った。
「ねぇ、真央、こっちを向いて。話をしよう」
やっと顔を上げ、こっちを見てくれた。吊り上がった大きな瞳が私を捉えると、緊張よりも懐かしさが込み上げてきた。

