フテキな片想い



隣のつばさんがぼそりと呟いた。


「えっ、真央が?どこ?」


つばさんの視線の先を追うと、壁に寄り掛かるようにして、舞台を眺めている真央を見つけた。


隣には、さっき教室であった星夜くんが立っている。


……真央だ。真央がいる。


真央の所へ行こうとした一歩を踏み出した所で、「はい、はい。ど~も~」とハツラツとした声が体育館に響いた。


振り返り、舞台上に注目した。司会者らしき、制服姿の男子生徒が、舞台上に立っていた。


軽快なトークにお客さんが沸く。


そうだ、真央は?と思い出した所で、見失っていた。さっきの場所に真央はいなかった。


会場内をきょろきょろし、真央を探けれど、基本スタンディングで舞台を見上げるスタイルで、前方には人がごった返していて、完全に見失ってしまった。


「今年も、坂高名物のサカチュー(坂下高校の真ん中で愛を叫ぶ)が始まりました!エントリー者は全員で十五人!みなさん、彼らの決死の告白を見守って下さい!そして、この中に、告白される人もいるかもね!」


司会者の男の子がそう言ってお客さんを煽っている。


「そういえば、坂高って文化祭の終わりに告白大会があるって、聞いたことあるかも」