「いつまでも逃げていられないって、真央自身も解ってるから、大丈夫だと思うよ」
星夜くんがそう言って、うんうんと頷いてくれたので、少し勇気づけられた気がした。
「ごめん、星夜ー」と廊下から男の子が顔を出した。
「あ、交代の人、来たっぽい。じゃあ、僕はちょっと約束があるから、これで失礼するね。じゃあ、引き続き、楽しんで」と星夜くんは、バイバイと手を振って、教室を出て行った。
「美雨、さっきの男の子、知り合いなの?」
星夜くんが出て行ったのと同時に、芽衣子が近づいて来て、こっそりと訊ねた。
「うん、真央の友達で、たまに家に泊まりに来るよ」
「えっ!?泊まりに来てるの?やだ~、そういう時は私も呼んでよ~。笑顔の素敵な爽やか系イケメン、要チェックだわっ!」
残念そうに廊下の方を見つめる芽衣子は、片想い中のパティシエをすっかり忘れてるんじゃないかって思った。

