フテキな片想い



結局、教室に真央はいなかった。


代わりに星夜くんがいた。


扉から顔を出すと、受付に座っていた星夜くんが、こちらに気が付き、「あ、美雨ちゃん」と声を掛けてくれた。


「あぁ、ニアミスだったね~。ついさっきまで、真央、ここにいたんだよ。途中ですれ違わなかった?」


「すれ違わなかった」と答えると、「そっか」と残念そうな表情をする。


「あ、これ、来場記念の妖怪メダル。坂高バージョンです。妖怪がクラスメイトになってるんだ。真央と僕で作った珠玉の作品だよ。はい、どうぞ。はけなくて困ってるから、一人三枚づつあげるね。記念にどうぞ。はい、お友達も」


来場者名簿に名前を書き込むと、星夜くんはクッキーの缶から、プラスティックのメダルを取り出し、私にくれた。真央のテーブルの上に散らかってたのは、工作品はこれかと納得する。


「マオニャン」と名前の入ったプラメダル。目つきの悪い所なんて真央そっくりだな。思わずニヤけてしまう。


「それ、気に入った?」


「うん。真央にそっくり。星夜くんが描いたの?真央には絵心ないの、知ってるから」


「ううん。原画はね井岡くんっていうクラスメイトが描いてくれたんだ。上手でしょ?」


大きく頷き、そのプラメダルを蛍光灯に透かした。


「あのさ、星夜くん」


「ん?」


「……真央は元気かな?」