「じゃあ、またね」と耳元で囁かれて、蛍さんのクラスを後にした。
芽衣子が言ってた「制服で五割増」の理論じゃないけれど、不覚にもドキリとしてしまった。
背が高くてすらりとしている蛍さんに、ドラキュラは嵌り役だ。
「児玉くんのクラス行ってみようか?」
そう芽衣子が提案したのは、カフェや映画など、催し物のクラスを一通り回った所だった。
一年生の教室があるのは、正門から入って三つ連なって並ぶ校舎の一番奥。
渡り廊下を伝って、校内を移動する。
研究発表がメインという一年生の教室は上級生の教室と比べて、客足が少なかった。
時間を確認すると、十四時四十分を回った所だった。
十五時には、蛍さんのいる体育館に向かわなければいけない。
地図によると、南体育館は一年生の校舎の更に裏側にあるらしい。
真央のクラスへ向かう間、階段を上るごとに、ドキドキしている自分がいるのに気付いた。
会いたいような会いたくないような、フシギな気分。
つばさんと一緒にいる私を見て、真央は気まずいって思うかな?
もし、教室で会えたら、いつも通りの笑顔で、真央に話掛けよう。

