フテキな片想い



教室内は真っ暗だった。


足場がフカフカして歩きにくい。


高飛び用のマットが敷かれているみたいだ。


「ギャっ!」と芽衣子の声が上がったので、「どうしたの?」と訊ねると、「いきなり、上からコンニャクが降って来た~生臭い~」と騒いでいた。


スポットライトが当たった椅子にはフランケンシュタインが座り、釣られた生首(の人形)がさっきのコンニャクと同じ手法で目の前に現れたりと、結構手が込んでいる。


「怖い。思ってた以上に怖い。早く、出よう!」


芽衣子が足早になる。


迷路のように区切られた教室の足元には、今度は風船が転がっているらしく、パンッと破裂音がする度に、「キャア!」と芽衣子の声が上がる。


最後のターンはゾンビに扮した生徒が襲って来た。芽衣子はキャーキャー言いながら、出口を目指していた。


「あれだけ騒いでくれるなら、脅かしがいがあるよね」とつばさんは冷静だ。ゾンビに追いかけられながら、出口の扉に手を掛けた所で、背後から手首を掴まれた。


「え?」と振り返ると、そのまま、教室を区切る暗幕の奥へと引きずり込まれた。


「ちょっと、何___」


声を発した所で、「しっ」と唇に人差し指を当てられた。


「俺、俺」