フテキな片想い



南体育館では、有志によるバンド演奏が行われていた。


結構な盛り上がりで、客足も上々だ。


各教室の催し物が十五時迄なので、十五時を過ぎたら更に観客が体育館へ流れて来るだろう。サカチューは坂下高校文化祭を締めくくるメインイベントらしい。


一旦、体育館裏の渡り廊下に出て、井岡に先輩を紹介して貰った。


「児玉くんだっけ?もう一人、ヘルプで来てくれるんだよね?」


明るい茶髪のサラサラヘア。人懐っこい笑みを浮かべて、はきはきと喋る先輩だ。


初対面だけど、好感が持てるタイプで安心した。


「はい」と頷くと、「りょ(了解)!」と微笑んだ。


「バンド演奏があと二組あって、サカチューの出演者は、今、舞台裏に待機してるんだ。プリントって目通してくれてる?」


「一応」


「だったら話は早い。出演者は全部で十五名。井岡と児玉くん、それにもう一人の子には、会場内にいる告白相手を探して、マイクを差し出す役目をして貰おうと思ってる」


サカチューの流れとしては、イベントを仕切る先輩がMCとして、舞台に立つ。


告白をする出場者が、一人ずつ檀上に上がり、思いのたけを会場内にいる相手に向かって叫ぶ。


俺たちは、告白の当人を会場内から探し出し、告白の返事をその場で訊くためにマイクを差し出す役らしい。