フテキな片想い



廊下側の壁に大々的に張られた模造紙を眺めている。


『ワープ一家』

*主な出没地域……坂下高校付近から広範囲

*外見……小学生位の男の子が二人いる四人家族。みんなでママチャリに乗っている。

*性質……車で一度抜かしたはずなのに、気付くと前をママチャリで走っている。



「何?この研究発表。妖怪じゃなくて、ただの地元で有名な変な奴じゃん。ご丁寧に井岡画伯のイメージ画まで載せて」


「これ、ウケるよね。妖怪よりは都市伝説のカテゴリーじゃない?僕の地元にも、名物オジサンいたなぁ。こういうのって、どこの地域でもいるんだね」


星夜が朗らかに笑う。


「真央、星夜、そろそろ体育館に集まれってさー」


通りがかった井岡が、扉から顔を出し、声を掛ける。


いよいよ、サカチューが始まるワケね。肉に釣られて引き受けたとはいえ、ダルイ。


「井岡くん、次の受付の係の人がまだ来てないから、僕、後から行くよ。先に真央と行ってて」


「次って誰だっけ?」


「遠野くん」


「あぁ、遠野2か、さっきどっかで見かけたな、いいや、LINEしとく。じゃ、行くぞ真央」と井岡が俺の腕を引っ張った。