「うるさいな、ほっといてくれっ!」
頭の中をグルグル駆け巡る気持ちを制止したくて、叫んだ。
気付いたら両耳を両手で押えていた。
蛍先輩が眉間に皺を寄せ、俺の顔を覗き込む。
「どうした?何でそんなに情緒不安定なの?……文化祭の準備で数日、泊まり込むって言ってたよな?本当は家で何かあった?」
「……何でもない」
「何でもない風には見えないんだけど?」
「何でもないって言ってるだろ?」
つい怒ったような口調になってしまった。これ以上追及しないでくれと願う。
「真___」と蛍先輩が言いかけた所で、「兄さん、止めて」と星夜の声がした。
振り返ると、玄関の前に星夜が立っていた。いつの間にか、バイトから帰って来たらしい。
いつからそこにいたんだろう?気付かなかった。
星夜は靴を脱ぐと、ぶら下げていたコンビニ袋をテーブルの上に置いた。
ふぅと一息吐いて、蛍先輩の部屋の戸を開く。
「星夜?」

