蛍先輩は、一瞬「何の事?」と訳が分からない表情をしたが、「あぁ、文化祭のイベントね」と納得すると、「するよ」と頷いた。
「星夜が、蛍先輩には常にカノジョがいて、女が途切れた事がないって言ってたけど、告白したい子なんているんスか?」
「え?星夜、俺の事そんな風に言ってたの?いや、全然それ誤解。別に付き合ってないし。みんな友達だよ。……まぁ、やることやったけど……」
最後にぼそりと余計な一言を呟く。
セフレって事かよ!?俺がまだ経験ないと知っていて、自慢してる?料理で上がった蛍先輩の好感度が、急激に下がっていく。
「何その、「コイツ、最低だなー」って顔。真央もさ、経験すれば解るよ。どの子が自分と合うのか試したくなるんだ」
表情が顔に出てたのか蛍先輩は、苦笑いをした。思わず、頬の辺りを両手で触り、強張っていた表情筋を揉み解す。
色んな女とやりたいって、発情期の犬か?隣に座る男が、そんな話を微塵もしない星夜と、血の繋がった兄だと思えない。
「でも、最近はちょっと、考え方が変わって来たかな?ちょっといいなって思ってた子が、自分の中でどんどん大きくなって、久しぶりに恋する気持ち?みたいなの感じてるんだ。LINEのメッセージに一喜一憂したり、会えるのが嬉しかったり。好きな子のためだったらと思って、セフレの連絡先、抹消したし」
蛍先輩ははにかみながら、マグカップに口を付けた。
連絡先抹消って、一方的に?相手が納得出来てないのに、連絡断ち切ったら、恨みを買って、夜道で刺されたりしないのだろうか?物騒な世の中だし。

