フテキな片想い



褒めたくないのが本音だが、意外な一面に思わず、素直な感想が口に出ていた。


「だろ?」と蛍さんはまんざらでもない顔で頷く。


人あたりが良く、愛想がいい。男女問わず、誰とでも仲良くなれる。


このチャラ男をポディシブに考えるとこんな所だろうか?


顔は……好みは人によるんだろうけど、自分に自信がなけりゃ、鏡の前で長い時間、髪をいじったり、LINEのアイコンを自撮り写真にはしないだろう。


しかも料理が上手い。モテようと思って始めたのだったら、料理歴は浅いはずだ。器用なのかもしれない。


目の前に座る蛍先輩に目を向ける。今気付いたけど、部屋着もさりげなくブランドのやつだし。俺なんか中学時代のジャージかスウェットだっていうのに……だてにモテて、チャラいワケではないさそうだ。


負けた気しかしない。


食後に「真央作ってよ。それ位は出来るでしょ?」と言われ、ドリップコーヒーを淹れた。


ソファーに移動し、二人並んでテレビを観る。フシギな光景だなと自分でも思う。


「星夜はいつ帰って来るの?」


「二十一時位って言ってましたね」


壁時計を確認しながら、答えた。後、三十分程だ。マグカップをローテーブルの上に置き、ソファの背もたれに寄り掛かった。


伸びをしながら、さりげなく、「そう言えば、蛍先輩、サカチューに参加するんですね?」と訊ねた。