フテキな片想い



勝手の解らない俺は、蛍先輩の指示に従う。


蛍先輩はフライパンを動かしながら、やたら高い位置から塩コショウを振っている。モコミチスタイルだ。


「ケチャップ投入、隠し味にちょっぴり砂糖を足しまして~」


鼻歌混じりに料理は進む。蛍先輩がフライパンを振ると、中のケチャップライスが跳ねる。


中華料理のシェフがチャーハン作ってる時みたいだと思った。


「こんなもんかな」とケチャップライスの入ったフライパンを隣のガスコンロの上に置き、今度は新しいフライパンを取り出す。


「俺は、半熟の方が好きだから、トロトロ卵のオムライスにするよ。真央、皿準備して」


溶き卵を落としたフライパンを、手早く掻き混ぜる。


ケチャップライスをお椀に盛り、そのままプッチンプリンの用法でひっくり返すと、まあるい形になった。その上に半熟卵を乗せ、更にケッチャップとマヨネーズを網目状に掛ける。


「蛍くん特製、ふわとろオムライス、オーロラ仕立て、完成ー」


あっという間にオムライスが出来た。


ちなみに、ケチャップとマヨネーズを合わせたソースをオーロラソースというので、オーロラ仕立てらしい。


「うまい」


蛍さんと向かい合って食卓に座りながら、オムライスを頬張る。