フテキな片想い



「おいっ」


「冗談だよー。真央はいちいち怖ぇなー」


低めの声で睨みを利かせたら、井岡は萎縮した。


相手をビビらす方法は、中学時代に付き合っていたヤンキーから学んだ。


「相談っていうのはさ、今年は結構、出場者が多いらしくて、運営スタッフとして、手伝いが欲しいって話なのよ。俺の中学の先輩が運営委員でさ、頼まれたってワケ。手伝ってくれたら、その先輩が特上ステーキ食わせてやるってさ」


「何で報酬が肉なの?」


「その先輩んち、父ちゃんが洋食屋なんだ。地元で有名な店ではある。どう?」


井岡は星夜と俺を交互に見た。


「僕はどちらでも。真央がやるなら僕もやるよ。真央が決めて」


あ、卑怯。判断を俺に委ねやがったな。


文化祭、二日目、一般公開日。南体育館にて、十五時から……ね。


きっと研究発表だけの教室は、大した来客なんて見込めないだろう。


一応、時間帯で教室に残る人を分担してるけど、割と自由時間が多いのも確かだ。