「結構なボリューム!胃にくる!でも、おいしー」
キャッキャッとはしゃぎながら、ぱくついている。
そんな芽衣子の表情を見て、私の紅茶で一息吐いた。
「紅葉(もみじ)さんの作るケーキも天下一品だけど、美雨のカフェのパイも素朴な味っていうか、食べるとホッと安心出来る味だよねー」
「紅葉さん?」
「イケメンパティシエの名前だよ。名前も風情があるよね~。今日ね、紅葉さんに言われたの。「芽衣子ちゃんが来ると、お店が明るくなるって」私の笑顔には、周りを和ませる魅力があるんだって、そんな風に言われたら、ズッキュン、ドッキュンって、ときめきまくりだよ」
「ときめきまくり……」
確かに芽衣子の笑顔には、こちらも釣られて笑顔になってしまいそうな魅力がある。
ありがちな例えだけど、ひまわりみたいな。
「だから、私はかなり大人なイケメンパティシエに恋愛中なう!なのであります!歳の差は気にしてないよ。美雨のお母さんだってそうだし。でも、アプローチするのは大学生になってからにするの。ゆっくりと時間を掛けて、この恋を温めるって決めたの。紅葉さんね、お菓子の事ばっかり考えてたら、女の人との出会いのチャンスを逃して、ろくに恋愛もしてこなかったんだって。これって、私にとってチャンスじゃない?」
チャンスね……凄くポディシブな芽衣子がキラキラ輝いて見えるよ。
「頑張って!」と声援を送る。

