フテキな片想い



仮装している子供が結構多くて、日本にもハロウィーンが浸透しているみたいだ。


本来であれば、ハロウィーンは死者を弔う西洋版のお盆みたいなものらしいけれど。


「トリック・オア・トリート」と声を掛けてくれた子供たちに配るクッキーは、あっという間に無くなった。


お店の奥の芝スペースでも仮装した親子の、ハロウィーンパーティーが行われてたし、今日はいつもよりバタバタしてた。


疲れたけれど、達成感があった。


着替えが終わると、「ちょっとお茶していかない?」と遠藤さんが、ホット抹茶オーレを淹れてくれた。


芽衣子もバイト中だし、待ち合わせまでには時間があったので、遠藤さんのご厚意をありがたく頂戴する。


「おいしい。まったりしますね」


抹茶の渋みとミルクが混ざり合って、ゆっくりと体に沁み込んでいく。優しい甘さの抹茶オーレだ。


「冬に向けての新商品にしようと思ってね。試作品の味見って所よ」


遠藤さんはカップを片手にウィンクをする。


「遠藤さんは、旦那さんのどこが好きで、結婚されたんですか?」


「え?」と遠藤さんは一瞬固まった。


「どうしたの?急に」と目を丸くし、訊て来たので、「唐突にすみません、いや、誰かを恋するって、その相手と結婚するって、どういう事なのかなって、最近思ってて……」


「あら、青春っぽい悩みね」