私の初恋の人。
「笑わないで聞いてね。私、実は、真央のお兄さんが好きだったんだ。出会いは小六の時で、その時の玲央さん、あ、真央のお兄さんの名前ね。玲央さんは、私の塾の先生だったの」
優しい笑顔に落ち着いた声、彼を形成する全てが愛おしかった。
小学生の頃の私は、一人ぼっちが嫌で、早く大人になりたくて、大学生だった玲央さんに憧れた。
「結局、塾を卒業したら、玲央さんとの繋がりもなくなっちゃって、それでも、ずっと思い続けてたんだよね。ある日、ママから恋人だって玲央さんを紹介された時は、本当、運命を呪ったの」
忘れてた恋心に火が灯り、ママに嫉妬するようになった。
自分の行き場ない想いを、心に仕舞って苦しんでいた。
そんな時、真央が背中を押してくれたんだ。
思い切って自分の気持ちを告白したら?って。
結果は解っての通り、振られたけれど、玲央さんに告白した事を後悔はしてない。ただ___
「玲央さんに失恋してから、次の恋に向かうのが怖くなっちゃって。気持ちに踏ん切りをつけて、前に一歩進んだはずなのに、私、人を好きになるのに臆病になっちゃてるの」
振られるのが怖い、悲しい思いをしたくないって思ってたら、好きってどういう事だろう?とその感情もあやふやになってしまった。
「恋をするってどんな感じだったかなぁ。片想いは辛くて、両想いになりたいって願うけど、相手を想って色々妄想する時間の方が幸せだったりするのかなぁ」

