「大丈夫だから、一緒に謝ろう。きっと二人だって許し___」
「美雨」と遮るように真央が私の名前を呼ぶ。
「俺、もぅ限界かも……美雨が好きなんだ。好きで好きでどうしようもない。ずっとイライラしてて、上手く感情がコントロール出来ない。お願いだから、離れてくれよ。こんな風にされたら、俺、もぅお前をどうにかしてしまうかもしれない。美雨が女として好きなのに、家族って思うの無理だ」
真央の声は震えていた。
真央は私の体を引き離すと、よろけながら立ち上がった。
パーカーの袖で目元を拭うと、ローテーブルの上の紙束を学生カバンの中に突っ込み、肩に掛けるとのろのろとスニーカーを履いた。
「出掛けるの?」
椅子の前に座り込んだまま、体だけ捻って、真央の背中に訊ねた。
「言ったろ?俺は出て行く」
真央はこちらを振り返らずに、ドアノブに手を伸ばした。
「出て行くってどこへ?」
「……」
「待ってよ、真央!」
思わず叫んだ。
真央は泣き腫らした瞼で、最後に一度こちらを振り向いた。

