「ごめんね、真央くん。驚いたよね?でも、私たち___」
ママが頭を下げて言い切る前に、間髪入れずに真央が攻撃する。
「驚くのはいつもの事だから、別にいい。結局、二人して、影でコソコソ仕込んでたってワケだろ?いつの間にそんな事になったワケ?三ヵ月前って夏休みの時?」
「真央、やめなさい」
玲央さんが、静かな声で制止する。
真央はそんな玲央さんの態度を鼻で笑い、続ける。
「何が俺たちの事を一番に考えてるだよ。お兄も晴美さんも、御託を並べて、結局、自分らの幸せの事しか考えてないだろ?恋人出来ました。家買ったから、一緒に住みましょうだ?俺たちには最初から決定権なんかねぇじゃねぇかっ!そうやって、大人の勝手な権限で、俺たちを振り回すなよ」
俺たち……それってきっと私も含まれてる。
真央は行き場のない怒りを拳に込めて、テーブルをバンと思い切り叩いた。
ティーカップの中の紅茶が零れる。
玲央さんは、眉間に皺を寄せ、じっと真央を見つめていた。
「今度は子供が出来たから結婚しますだ?俺はおめでとうって言って、拍手したらいいのか?それで二人は満足すんの?もぅ、いい加減うんざりだ。こんな家族ごっこ、くだらない。俺は家を出る。お兄だって、俺みたいなお荷物、いなくなった方がせいせいするだろ?本当は、晴美さんと生まれて来る自分の子供と三人で暮らしたいって思ってんじゃねぇの?」

