結局玲央さんは、キッチンの棚の所でいいんじゃない?というママのアドバイスに従っていた。
「美雨が男の子から花束を貰ってくるなんて。洒落た事をする子、いるじゃないの?カレシ?今度、ママに紹介しなさい」
「カレシとか、そんなんじゃないって。バイト先にたまに来る真央の学校の先輩だよ」
誰が花束をくれたのか気になるママは、ニヤニヤしながら私を見ていた。
「坂下高の先輩?真央くんも、美雨のカレシが誰だか知ってるの?」
質問が真央へ飛ぶ。
「カレシかどうかは知らないですけど、一応顔見知りではあります。結構、チャライ感じの先輩です」
「え?チャライの?」
真央の答えにびっくりしたママが、顔を覗き込む。
「見た目がちょっと派手というか。話してみるとそんなに悪い人じゃないよ」
「何庇ってんの?お前、ちょっと迷惑がってたじゃん。それとも、花束貰ったからって舞い上がってんの?」
棘のある言い方に、ちょっぴり腹が立った。
「ちょっと真央、さっきから感じ悪いよっ!」

