「ママも仕事早目に切り上げてくれたんでしょ?ありがとう」
「お礼を言うなら玲央に言ってよ。わざわざ有給使って、昼間からケーキ作ってたんだから」
「え?会社休んでくれたの?このケーキも、玲央さんが作ったの?」
食卓の中心にあるティラミスを覗き込む。
「そう。コーヒーシロップを含ませたスポンジも一から作ってみたんだ。お菓子作りって面白いね。ちょっと嵌りそうかも」
さぁ、主役は座って。ちょっと早いけど、パーティーを始めようと玲央さんは、椅子を引いて座るように促した。
「シャンパンで乾杯と言いたい所だけど、今日はアップルサイダーで乾杯しよう」
みんなが食卓に着くと、玲央さんはシャンパングラスにアップルサイダーを注いだ。
今日の玲央さんは料理のサービスもしてくれるらしい。
「美雨ちゃん、改めましてお誕生日おめでとう」
「ありがとうございます」
「じゃあ、グラスを持って___乾杯」
「乾杯!」
四人のグラスがテーブルの中心で、チンと鳴った。

