フテキな片想い



最近、玲央さんはママの送り迎えをしていた。


この時間にママが帰ってくるのは、珍しい。


「今日の主役のお帰りね」


「美雨ちゃん、真央、おかえり!パーティーの準備が出来てるから、着替えたらリビングに集合すること!解った?」


窓を開けて含み笑いを浮かべながら、玲央さんはそう告げると、「先に帰ってるね~」と車を走らせた。


数百メートル先に見えている家の車庫に、玲央さんのバンが収まる様子を眺めながら、「パーティー?」と真央に訊くと、「お前の誕生パーティーだろ?」とあっさりとした答えが返って来た。


「私の誕生日が今日だって、知ってたの?」


「知ってるも何も、お前を生んだ晴美さんも企画してるんだから」


嘘!


去年までは、「好きなもの買いなさい」ってお金だけ渡されて終わったのに。


多分、ほとんど企画してくれたのは、玲央さんだ。玲央さん、ホントいい人!


誕生日パーティーなんて、お婆ちゃんと一緒に暮らしてた時以来だ。


「どうしよう、嬉しい」