芽衣子のイケメン好きには一本筋が通っている気がした。
そこまですがすがしく、「イケメンが好きだ!」と豪語する人もいないし。
「実は、そのイケメンパティシエがいるお店、バイト募集してたんだよね」
「え?まさか……」
「そのまさか!連絡して、今日面接することになったんだ~」
顎の下でピースをしながら笑う芽衣子に、すごい行動力だと感心する。
「あ、そうだ。プレゼントもあるんだよ」
はっと思い出して、芽衣子はカバンの中から、袋を取り出した。
受け取って、包装紙を開くと、中からモコモコ靴下と、部屋着が入っていた。
「カワイイ、ありがとう、芽衣子」
「美雨はピンクで、私は水色なんだ。おそろなんだよ。今度お泊り会する時に、一緒に着ようね」
うんうんと大きく頷く。私の好きな色も解ってくれてるし。ありがとう、芽衣子。私はいい親友がいて幸せだ。
放課後、商店街で駅に向かう芽衣子と別れて、ほくほくした気分で、家路に向かう。
ママは私の誕生日____忘れてるかもね。最近、仕事も立て込んでるみたいだし、ずっと体調も悪いみたいだし。

