お弁当を食べ終えると、芽衣子は携帯を片手に、ケーキ屋さんのホームページを見せながら、イケメンパティシエについて力説した。


確かにしっとりとした生クリームは甘すぎず、苺も大粒のブランド種なんだろう、甘さが際立ってケーキとの相性がいい。


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まるで食レポをしているように、味わう。


さすが、コンテストで賞を受賞したパティシエが作るケーキ。


完璧だ。


それにホームページに載っている顔写真、すらりと背の高い中性的な顔立ちのパティシエさん。


プロフィールを見ると、年の頃は三十代半ば?若く見えるけれど、落ち着いた大人の雰囲気も持っている。


セレブ奥さんたちが夢中になる気持ちも解る。


「おいしい」


「いいね、その笑顔。いただきっ!」


シャッターチャンスと言わんばかりに、芽衣子が携帯を向ける。


「それにしても、芽衣子のイケメン発掘レーダーは凄いね。一体いつも、どこから情報収集してるの?」


「だって、イケメン探しが趣味みたいなものだもん!SNSとか、タウン誌とか情報源はたくさんあるよ。イケメンがいないと生きていけない。目の前のイケメンで、色々妄想するのが、私は好きなのっ!」