幡谷さんの真っ直ぐな視線に答えて、ゆっくりと告げた。
幡谷さんの眉がぴくりと動いた。
「幡谷さんが俺の事、そんな風に思ってくれてたって知りませんでした。気持ちはありがたいって思います」
幡谷さんの気持ちは、俺を知った上で、好きだと告白してくれた思いは、痛い程、伝わった。
「けれど、すみません、幡谷さんの気持ちには答えられません。……好きな子がいるんで」
「好きな子がいるんで」そう言った時、幡谷さんの眉間に皺が寄った。
下唇が突き出て、何かを吐き出すのを堪えているようにも見えた。
「そっか、好きな子いるんだ。そうだよね、好きな子くらいいるよね?」
はぁと盛大な溜息を吐いて、幡谷さんは無理矢理な笑顔を作った。
「どんな子?児玉ってどういう子を好きになるの?……それくらい訊いてもいいよね?」
テーブルの上で両手を組み、少し潤んだ瞳が向けられる。
その視線に居心地の悪さを覚え、深呼吸をした。
瞼の裏に、美雨の笑顔が浮かんで来る。
美雨のどこが好きなんだろう?漠然とした感情を言葉にするのは難しい。

