「いや、さっきから、ていうか、いつもだけど、幡谷さんって一旦、人の意見を訊きますよね?「恰好、変じゃない?」とか「柄じゃないよね?」とか。自分に自信が持てない気持ちは、俺、何となく共感できるんですけど、幡谷さんは、幡谷さんのままで十分魅力的だと思います」
男っぽい服装をしてる幡谷さんも、女らしい恰好がしたい幡谷さんも、幡谷さんだ。
恥じることもないし、着たい服を着ればいい。
「きっと、今まで言われてきたことがトラウマになってんのかな?俺、よく解んねぇけど、女っぽい服装も似合うと思うし、幡谷さん、自分で言う程、男勝りじゃないですよ。仕事の丁寧さとか、コック服を毎回ぴっちりアイロン掛けてくる所とか、さり気なく控え室を掃除してる所とか見ると、やっぱ女子なんだなって思います。俺だって、こんな事言うの柄じゃないけれど、幡谷さんなら、いい看護師になれると思います」
一気に言い切って、アイスコーヒーを飲み切った。
ぽかんと口を開いたままの幡谷さんは少し経って、にっこりと微笑んだ。
「ありがとう。児玉は優しいよね。ボーっとしてそうで、何気に見てくれる所とか……やっぱり、私、児玉のそういう所、好きだな」
「え?」
今度は俺がきょとんとした表情になる。今、何て?

