フテキな片想い



幡谷さんも、みんなで出掛ける時は、どちらかと言えば大人しく、みんなの話してる話題に相槌を打つタイプだけれど、元々無口な俺に気を遣ってくれてるのか、同じバイト仲間の話から、学校のクラスの話まで、自分のことも話してくれた。


「へぇ、幡谷さんって看護師目指してるんですね?」


「意外だろ?実は、二番目のお姉ちゃんが看護師で、大変なのは解ってるんだけど、小さい頃からの夢なんだ」


コーヒーのカップを片手に、幡谷さんは「将来の夢の話って、照れるな」とはにかんだ。


「ごめん、美雨から色々、家庭の事情、聞いてて、私だけ児玉のこと知ってて、児玉は私のこと知らないから、フェアじゃないなって思ってて。自分のことも話とかなきゃって。ていうか、私の話なんて興味ないよね?あぁ、私、何言ってんだろ?」


「何か調子出ないな。服装のせいか?」と幡谷さんはブツブツと自問自答を繰り返してる。


幡谷さんは実は横浜の生まれで、中学校までは横浜の学校に通っていたみたいだ。


幡谷さんの両親はお互いに再婚同士で、幡谷さんは父親の連れ子だという。


本当のお母さんは既に亡くなっているらしい。


新しいお母さんにも、二人の子供がいて、幡谷さんには血の繋がりのない姉が二人いるとの事だ。


「児玉と美雨の話を聞いて、シンパシーを感じたというか、何か他人じゃないような気がしたんだよね」