フテキな片想い



日曜日。


ランチタイムのシフトを終え、一足先に上がった幡谷さんと、店の前で落ち合った。


「あれ?」


目の前に現れたのが、一瞬、幡谷さんに見えなくて、固まっていると、「何だよ?」といつもの調子で訊いてきた。


「あ、すいません。いつもと恰好が違うんで、一瞬、誰かなと思って」


いつもだったらブルゾンにスウェットとか、男っぽい服装をしている幡谷さんが、今日は珍しく、どちらかと言えば女らしい服装をしている。


オーバーオールの半ズボンバージョンみたいな服にジャケット、頭には燕尾色のベレー帽まで被ってるし。


「やっぱ、変かな?私がこんな恰好するってキモイよね?あぁ、やっぱ、いつもの格好で来れば良かった……」


頭を抱えて、目の前で蹲る幡谷さんに、「そんな事ないですよ。何か新鮮つうか、似合ってると思います」と声を掛けた。


人の服装を褒めるなんてしたことないから、それが正しい褒め方なのかは、解らない。


「ホント?似合ってる?」


幡谷さんは、大きな目をこちらに向けながら、確認する。


頷くとようやく自信が付いたのか、「ありがとう」と立ち上がり、笑顔を見せた。