「念のため、連絡先訊いといていい?ほら、児玉とのやり取りって、バイト仲間のグループLINEだけだったから、番号とか知らないし」
「あぁ、そうッスね、一応」ズボンのポケットから、携帯を取り出す。
「児玉くん、ちょっと手伝って貰っていい?」
連絡先を交換し終えた所で、バックヤードから店長の声がした。
「はい」と返事をして、携帯を学生カバンに突っ込んで、バックヤードに向かう。
「じゃ、幡谷さん。日曜日、よろしくッス」
軽く会釈をすると、携帯の画面を確認しながら、幡谷さんがポツリと呟いた。
「こちらこそ、よろしく。楽しみにしてる」
……楽しみ?
幡谷さんからさり気なく呟かれた一言に、思わず後を振り返る。
彼女は携帯の画面を見つめたまま、友達とメールをしているようだった。指先が画面をタップしている。
……気のせいか……
「こだまくーん、早く~」
慌てた声の店長に急かされ、控え室を後にした。

