フテキな片想い



「え?今度の日曜日、買い物付き合って欲しいって?」


バイト先のファミレスの控え室。


コック服を着て、お冷を片手に休憩中の幡谷さんが、目を丸くして訊き返した。


「さっきシフト確認したら、幡谷さんもランチタイムだったんで、終わった後、もし、用事とかなかったら、付き合って欲しいなと思って」


「暇、暇、暇。ていうか、別に暇を強調してる訳じゃないんだけど、まぁ、空いてるよ。何、児玉、欲しい物でもあるの?」


「いや、俺っていうか、美雨が、もうすぐ誕生日なんで……幡谷さんと最近、仲良くしてるみたいだから、何かアイツが好きそうなの見繕ってくれないかなと思って」


「あぁ、美雨って今月、誕生日なんだ」


幡谷さんは納得したのか、そういう事ねと大きく頷いた。


「そういえば、この間、一緒に出掛けた時、CHUMS(チャムズ)のバッグが欲しいって言ってたな。それだったら、駅ビルにショップがあったよ。日曜に行ってみる?」


「マジすか?あざッス」


美雨が何気なく言った一言を覚えてるなんて、やっぱり幡谷さんは頼りになる。さすが姉御。


お辞儀をすると、「何?畏まって。キモイよ、児玉」と笑われた。